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住宅ローンの繰り上げ返済
住宅ローン締結後、何年か経過して貯蓄が増えたら、将来支払うべき利息を軽減すべく、住宅ローンの一部を一括して返済する『繰り上げ返済』をする方が多いです。
ただし、繰り上げ返済をした後に、家計が苦しくなったので元に戻すということはできませんので、利息効果よりもまずは、『本当にこのお金を繰り上げ返済に充てても大丈夫か?』という事をしっかりと検証する事が大切です。
繰り上げ返済には『期間短縮型』と『返済額軽減型』の2通りの手法があり、それぞれの内容やポイントは次のようになります。
(1)期間短縮型
期間短縮型の特徴は以下のとおりです。
- 繰り上げ返済後も毎月の返済額は変わらない。
- 当初の返済期間より、返済期間が短くなる。
(2)返済軽減型
返済額軽減型の特徴は以下のとおりです。
- 繰り上げ返済後、毎月の返済額が軽減する。
- 返済期間は、繰り上げ返済前と変わらない。
(3)期間短縮型と返済軽減型はどっちがお得?
この質問は、本などで研究されている方から時折うける質問ですが、結論から言うと、『期間短縮型』の方が利息軽減効果は大きいです。
以下、それぞれのパターンの効果を比較してみます。
借入金:3,000万円、 返済期間:35年、 金利:3%(全期間固定金利)
返済方法:元利均等返済での借入について、以下の比較を行います。
(1)当初の予定(契約)のまま最後まで返済した場合
(2)5年後に約300万円の『期間短縮型』の繰り上げ返済を実施した場合
(3)5年後に約300万円の『返済額軽減型』の繰り上げ返済を実施した場合
返済方法 | (1)当初のまま | (2)期間短縮型 | (3)返済額軽減型 |
---|---|---|---|
当初の返済額(毎月の返済額) | 115,455円 | ||
5年後の借入残高 | 27,384,719円 | 27,384,719円 | 27,384,719円 |
繰り上げ返済額 | - | 3,037,958円 | 3,000,000円 |
繰り上げ返済後の借入残高 | 2,738万円 | 24,346,761円 | 24,384,719円 |
繰り上げ返済後の返済年数 | - | 25年 | 30年 |
繰り上げ返済後の返済月額 | 115,455円 | 115,455円 | 102,787円 |
借入金返済総額 | 48,491,124円 | 44,601,758円 | 46,930,643円 |
利息総額 | 18,491,124円 | 14,601,758円 | 16,930,643円 |
当初返済予定との差 | - | 3,889,366円 | 1,560,481円 |
当初より短縮した返済期間 | - | 5年 | 0年 |
『期間短縮型』の方が、約233万円も効果が高くなります!
利息効果だけを見ると『期間短縮型』の方が効果は高いですが、『期間短縮型』の方は、繰り上げ返済後も返済額は軽減されません。よって、繰り上げ返済後の資金計画(キャッシュフロー)を十分に確認したうえで実行する必要があります。
(4)繰り上げ返済は、早くした方が得?
繰り上げをする時期によっても効果(利息軽減効果)は大きく変わります!以下、それぞれのパターンの効果を比較してみます。
借入金:3,000万円、 返済期間:35年、 金利:3%(全期間固定金利)
返済方法:元利均等返済での借入について、以下の比較を行います。
(1)当初の予定(契約)のまま最後まで返済した場合
(2)5年後に約300万円の『期間短縮型』の繰り上げ返済を実施した場合
(3)10年後に約300万円の『期間短縮型』の繰り上げ返済を実施した場合
項目 | (1)当初のまま | (2)5年後に繰り上げ返済 | (3)10年後に繰り上げ返済 |
---|---|---|---|
当初の返済額 | 115,455円 | ||
繰り上げ返済までの年数 | - | 5年 | 10年 |
繰り上げ返済前の借入残高 | - | 27,384,719円 | 24,346,761円 |
繰り上げ返済額 | - | 3,037,958円 | 3,027,313円 |
繰り上げ返済後の借入残高 | - | 24,346,761円 | 21,319,448円 |
繰り上げ返済後の返済年数 | - | 25年 | 20年8ケ月 |
借入金返済総額 | 48,491,124円 | 44,601,758円 | 45,514,753円 |
利息総額 | 18,491,124円 | 14,601,758円 | 15,514,753円 |
当初返済予定との差 | - | 3,889,366円 | 2,976,371円 |
当初より短縮した返済期間 | - | 5年 | 4年4ケ月 |
5年目で繰り上げ返済する方が約92万円も効果が高くなります!
利息効果だけを見ると、早めに繰り上げ返済をする方が効果は高いですが、一旦返済した後に増額することは不可能です。よって、繰り上げ返済後の資金計画(キャッシュフロー)を十分に確認したうえで実行する必要があります。
(5)12月のボーナスでの繰り上げ返済の注意点
この場合、1つ注意点があります。
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)との絡みです!
住宅ローン特別控除は年末の借入残高に一定率をかけたものが、税金から差し引かれる(税額控除)制度ですので、年末までに繰り上げ返済をした場合、その分税金から差し引かれる税額控除が少なくなってしまいます。
ですから、1ヶ月待って繰り上げ返済をした方が効果的なケースが多いです。
繰り上げ返済を数回待って、住宅ローン控除を適用する方が効果的なケースは多いですが、一概にそうとは言えません。
特に以下のようなケースは注意して比較してください。
- 住宅ローン控除が全額適用できるほど税金がかかっていない。
- 住宅ローン控除の適用借入限度額を超過している。
- 繰り上げ返済の手数料のかかる時期とかからない時期がある。
- 電話又はメールフォームで
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